2023年06月30日

南天の花にやってきたクマバチ


ご存知のように南天は「難を転じる」の縁起を持つ樹木。
この南天は両親が宵えびすの植木市で買ってきたものらしい。いまでは高さ2メートルほどに成長している。
初夏の風に黄色がかった白い花弁が散っていく。
ところが…風もないのに、南天の枝が揺れて花びらが散っている。
(羽音が聞こえてきて姿を見ずとも想像が付いた)。

3匹のクマバチが枝の間を出たり入ったりしていたのだ。
よし、これを撮ってみようと家からカメラを取り出した。
こんなとき富士フイルム(シャッターダイヤルが付いている機種)だと操作は簡単である。
(しかし撮影は困難である。理由はAFの精度と速さが他社に追いついていないため)

取り出したのはXF60mmF2.4 R Macroという最初期のレンズ。静止している植物にはまだしもAF(自動焦点機能)が劇的に遅い(このブログで植物の凜としたたたずまいや落ち着いた艶が感じられる写真はこのレンズか、XF35mmF1.4 Rの標準レンズで撮影したもの)。

絞り優先オートで撮影しているのだが、欲しい被写界深度はISOとシャッター速度を勘案してF5.6を選択、飛翔するクマバチをある程度止めたいためシャッターダイヤルをA(オート)から1/1000もしくは1/2000に回すだけ(これでも羽根の動きは止められないが、本体が止められば良しの現実的な設定)。ISOはオートの上限1600のモード(曇り気味なので上限ぐらいまで感度が上がるはず)。連写するので高速連写モードにして電子シャッターに設定。文章にすると長いが、1〜2秒で設定変更できる。

結果はまあまあ。昆虫写真家の水準には遠く及ばないし時間もかけていない。
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印象的なのはこのコマ。何度か近づいたり離れたりするうちに花弁を落とした瞬間を捉えた
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(クマバチは人間がいたずらをしない限りヒトを刺すことはない。ただ彼らの採集行動の邪魔にならないよう留意している)
自宅の戸を開けてすぐに朝の太陽が飛び込んでくる。小さな庭であっても見飽きることのない身近な小宇宙。
posted by 平井 吉信 at 23:47| Comment(0) | 家の庭

2023年06月27日

青梅の季節 寝る前に梅を仕込む日々


六月になると、梅を栽培している農園に青梅(鶯宿)を取りに行く。これは梅酒用とする。鶯宿は6月中下旬で終わりとなるが、完熟した個体を漬け梅(梅干し)にすることもある。南高梅のほうが梅干しには適するといわれるが、ぼくは気にしないでそのときに手に入る梅を仕込む。

梅酒は収穫して1日以内のものを漬け込む。香りや酸味を活かしたいから。砂糖も控えめにする。ていねいに仕込みをすれば傷むことはない。

以前は35度の米焼酎で仕込んでいたが、入手が難しくなったので35度の泡盛(久米島の久米仙など)で漬けていた。コロナ下でそれも出回らなくなり、ここ数年はホワイトリカーにしている。どこでも入手できるタカラとサントリーで比べてみたが、この2社は原酒で味わっても圧倒的な優劣があり、梅酒にして1年経過したもので比較してもその差はまったく縮まらない(どちらが安売りされる場合が多いかでもわかる)。
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梅酒に回すもののうち、やや熟成が進んだものはコンポートとしている。砂糖は想定されるよりうんと控えめ。ある温度までをゆるやかに上げては水を何度か替えるのがコツ。梅の酸味を活かしたいから。糖度が下がると傷みやすいとされるが、そこは製法で気を付ければ問題ない。
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この梅のコンポートは口のなかにするりと入って種を呑み込みそうになるぐらいおいしい。甘味は抑えている。それでもやさしい滋味とつるんとした味。これ以上の梅のコンポートがあるとは思えない。
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子どもの頃から梅干しが好きで台所でつまみ食いしていた(なんという小学生)。市販の梅干しも悪くないけれど、自分でつくるのはさらにていねいにつくることができる。梅ひとつひとつを高濃度食品添加物アルコールで磨き上げて低い濃度の塩分(15%)で漬けるのが流儀。あとは漬け梅を紫蘇に付けたものを土用干しするだけ。紫蘇づけの作業を機械化できるとは思えない。この工程こそ自家製の強みがもっとも現れる気がする。まもなく始まる紫蘇漬けが愉しみ。
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posted by 平井 吉信 at 22:33| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

6月24日 19時28分の夕焼けを見ましたか?


曇りの一日で冴えない灰色の空が最後に見せてくれた。
通りかかった場所で見かけた夕焼け。
色彩の再現性に優れたカメラとレンズ(※)が車内にあり
車が停めやすい空き地があり
そこに水辺があり、天空と水面で対照が映し出される。
(偶然の5乗=一期一会の夕焼け=∞という解不能な方程式)

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アラスカではなく、まちなかから5分の場所、というのが徳島ということで。

※本機は富士フイルム製だけど、色彩の再現性に優れたカメラとレンズとはフジフイルムかパナソニックのミラーレスを指す。縮小する前の原版には水面の微少なさざ波、蛍の光跡、水鳥が水面をすべる軌跡、木の葉1枚のたたずまい、雲の断片を構成する微細な水蒸気のムラ。畳1枚ぐらいの4K以上のディスプレイで眺めてみたいなと。
posted by 平井 吉信 at 20:40| Comment(0) | 気象・災害

松林の静かな散策 大里松原


海部川が吐き出す砂が形成する大里松原は全長2.5kmの砂浜の渚(日本の白砂青松100選)。航空写真を見ると緩やかに湾曲した渚と集落を隔てる松の防風林が暮らしに寄り添う。
https://www.awanavi.jp/archives/spot/2907

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海を眺めても良し、海老ヶ池を逍遙(周遊)するも良し、母川海部川へ足を伸ばすも良し。大里松原には湾内とは異なる外洋に面した広々とした大海のたたずまい。豪快な波、耳に響く風の音も。そしてこの場所の魅力はこの松原と樹間の小みち。
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渚と並行に松原を伸びる散策路と、松原を横切って渚と集落をつなぐ広めのみち。その先には太平洋の成分が濃厚な海がある。でもこの渚は泳いではいけない。ぼくですら足を入れたことはない。
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どんよりとしているので樹間の陰影(立体感)は付かないけれど、隅々まで光が廻る。こんな松林も趣がある。
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松原には大里八幡神社があるが、そのすぐ南に和奈佐意富曾神社(わなさおうそじんじゃ)という不思議な名称の神社がある。大里八幡神社から分祀されたといわれている
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松原の林内に黄金にたたずむキノコ
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ナツズイセンが随所に自生している
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松原の北端の森は深くなる
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このあたりから丘へ登ることができ、そこから松原を一望できるそうだが、樹木が茂っているのでは?
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北端から南へ延びる弧を眺めては広々とひらけゆく
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タグ:大里松原
posted by 平井 吉信 at 00:40| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2023年06月25日

曇りの日のおだやかな大砂海岸


ときどき薄日が射す天候とはいえ、空が笑わなければ海の色は冴えない。
けれど渚遊びをするには絶好の日、と思われるのに人の姿は見えない。
(徳島を象徴している。おそらくショッピングセンターや飲食に繰り出す人が多いのだろうね)
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Google地図(衛星写真)からは、砂浜の弧内に砂留工が海岸線と並行して施されているのが窺える。
https://www.google.com/maps/@33.6386296,134.3793991,302m/data=!3m1!1e3?entry=ttu

ここは水深が浅く、干潮時は背が立つときもある。この浅瀬には熱帯魚が多い。ぼくはゴーグルだけ付けて1時間ぐらいは浮き沈みしながら熱帯魚と泳ぐ(というか漂流している感じ)。足ひれとスノーケルなどの3点セットは大げさで自在に潜れないので使わない。太陽を見ながらぷかぷか浮いているときに波や光を感じていたいので。

沖の小島に泳いで渡ることもある。沖合にあるように見えるが防波堤からそう遠くなく、安全に到達できる。ただし時季が来ればカツオノエボシが接岸するので気配を感じたら浜に上がるように。
タグ:大砂海岸
posted by 平井 吉信 at 11:48| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2023年06月24日

仕事の帰りに潜水橋を見る(鮎喰川)


徳島市内から神山町に向けて鮎喰川を遡っていくと十三番札所の大日寺がある。
その少し先にはセブンイレブン、その店先から川へ下っていくと潜水橋がある。
(潜水橋とは大雨のときに水に潜る橋。このようにすることで橋の崩壊を防ぐ。水の抵抗を防ぐために欄干はない。幅も狭く、この橋も人と車がすれ違うのに細心の注意が必要。高知では沈下橋と呼ばれて四万十川、仁淀川をはじめ四国の川の風物詩となっている)

出張の際に立ち寄った吉野川北岸から吉野川橋と眉山をしばし眺める。ここにはかつて水陸両用機の発着場があった。大河吉野川の面目躍如というか、のんびりした時代があったというか。
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夕暮れが近いので仕事の帰りに少し足を伸ばして寄ってみた。
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青の吉野川(午前)から朱の鮎喰川(夕暮れ)へ時間をつなぎながら
上流に沈む夕陽を見ていると夕げの連想。

鮎喰川深瀬橋にて
タグ:鮎喰川
posted by 平井 吉信 at 11:39| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2023年06月23日

令和5年沖縄全戦没者追悼式


戦争を経験していない身でも、78年前のできごとをあらん限りの想像で思うと涙を禁じ得ない。
きょうは令和5年沖縄全戦没者追悼式。インターネットで見ている。
https://www.youtube.com/watch?v=VXbL_Q2LrjM (琉球放送提供)

高校生の言葉が響いた。
おばあの涙は 摩文仁の丘に永遠にともる平和の日は いま私たちに問いかける
平和とは何かを 私たちにできることは何かを
(中略)
先人たちが紡いできた平和を 次は私たちが紡いでいこう
そして世界へ届けていきたい


日本は沖縄を大切にしなければならない。
なぜなら沖縄は、東アジアのくさびとなる地域だから、平和へ願いを持ち続けている場所だから、世界へ伝えていくべき思いだから。

あじさいの花は沖縄に捧げたい。
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posted by 平井 吉信 at 11:29| Comment(0) | 生きる

つまらない社会(全体)を見たくないから部分に目を向ける アジサイ凝視


つまらない社会が加速していくのでブログを更新する気が起こらない。
防衛費増額(本質的に何の防衛にもならず武器商人を潤すだけ)、
難民に厳しい国(日本はあたたかい国ではないよ)、
社会の潤滑油で暮らしを支える小規模事業者や幸福と自らの生きる道を求めて起業するヒトを泣かせるインボイス制度(クリエイティブな仕事をしている人たちの廃業が続出する怖れ。インボイスの登録事業者になってはいけないよ。それは自殺行為)、
少子化対策には役に立たない子育て支援策(未婚率の高さが根源の要因なのにそこに手を入れようとしない見せかけのばらまき、そのうち消費税などで回収されるよ)、
マイナンバーカードと保険証は紐付けしないこと(河野大臣を見て信用できると思う? 個人情報が漏れても平気なヒトはいないはず)。
物価高、燃料費や電気代高騰、半導体不足やサプライチェーンの毀損でモノは入らない。
科学的な根拠に基づく適切な対策を放棄して感染症には蓋をして見ないフリ。
給与や所得は下がり、生きづらい国がますます生きづらくなっていく。
自公維新の責任ばかりではないけれど、少なくともこれらの3党には投票しないこと、それぞれができうる行動で社会を変えていく。
一人ひとりの国民が最低限、心理的安全性を感じられること、できれば幸福感があること。それが出発点。そうなれば個人も企業も若者も高齢者も問わず誰にとっても良い国となる。

いまの時期、どってへ行ってもアジサイ。これも1本のレンズだけで撮影してみた。場所は国道55号線の海南町の周辺(内妻海岸から少し南下した場所の旧道の沿道沿いに植えられているのですぐにわかる)。

つまらない社会で、わずか数十センチの世界のみが安住の世界となっている? いや、花の写真を撮るのも現実逃避みたいに思えてくるんだよ。
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フジX-T30+XF60mmF2.4 R Macro(どんなに高級なスマートフォンでもこんなふうには再現できないよ。おそらく「映える」写真しか撮れないから。やさしくやわらかく現実感を大切にするのならミラーレスのデジカメは持っておくと良いですよ)
posted by 平井 吉信 at 00:04| Comment(0) | 生きる

2023年06月10日

ムラサキカタバミのたたずまい


今朝は曇りがち。庭を見ると、ムラサキカタバミが木陰に花をいくつも揺らしているのが見えた。その瞬間、そこに釘付けとなって半時間ばかりいた。写真も撮ってみた。
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ムラサキカタバミは江戸時代にもたらされた帰化植物で繁殖力が旺盛で要注意外来植物で雑草と呼ばれる植物である。日本に居着いて百数十年が経過してあちこちで見かける。この場所にも勝手に生えてきたが来るものは拒まず。遺伝的生態的な位置づけは別として植物体として好きなのかもしれない。
posted by 平井 吉信 at 17:48| Comment(0) | 家の庭

森林浴は身心の状態が整う効果あり 森の逍遙の記憶もまた


森林浴の心地よさは誰もが実感できること。海外では「Shinrin−yoku」とも呼ばれるようになっているとか。

千葉大環境健康フィールド科学センターの宮崎良文名誉教授によれば、ストレスを受けた時に分泌が増える「コルチゾール」の唾液中の濃度を実験で計測したところ、同一の温度や湿度の室内と比べてストレスが低下していることがわかるという。森の香り成分や小川のせせらぎ、葉ずれの音なども作用が考えられる。ゆっくりと15分歩くだけで人は五感で森を体験している。

少し前の投稿でせせらぎや野鳥の音について感じたことを書いたけれど、これも効果があったのだと納得。また、血圧の高い人は血圧が低下し、血圧が低い人が血圧が高くなる傾向や、ストレス度の高い人はリラックスし、ぼんやりしている人は元気になる傾向があるという。このことから、森林浴には身体作用を整える効果があるともみられている。

(引用)毎日新聞デジタルの記事「五感の刺激で心身整う? 科学で見えてきた森林浴の生理的効果」(2023.6.5公開の有料記事から。毎日新聞デジタルは良質の記事が多く購読をおすすめ)

→ 自然の音を部屋に流してみるなら アンビエント系なら このCDがおすすめ

森の逍遙は五感を総動員して感じられる良さがある。もしかして森の写真を見るだけでも効果があるかもしれない。

黒沢湿原
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中津峰
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旭ヶ丸
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砥石権現
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とある渓流と河畔の森
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苔の名山 山犬嶽
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高丸山
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剣山
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posted by 平井 吉信 at 17:42| Comment(0) | 山、川、海、山野草