2017年10月07日

勝浦川中流の飯谷町 滝のそばの竹林でかぐや姫が光に包まれて生まれた

郷土の愛すべき魑魅魍魎たち、
狸や妖怪が好きなんだろう、この作者は。

そうかもしれません。
暮らしのなかで息づく現象、なにかの気配、
それは風が動きながら鳴らす葉音が
この世ならざる気配を運んでくるのかも。

闇は闇で美しい。
そして闇は光があるから存在がわかる。
光は闇があるから輝きが際立つ。

小松島のルピアからほんの10分で
徳島市飯谷町の勝浦川支流に落ち込む鳴滝がある。
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県道から入ったすぐで標識もあるけれど
ことさら観光という雰囲気はまとっていない。
そんな場所に地元の人たち(飯谷鳴滝会)が
周辺の竹林に灯りを施したと聞いてやってきた。
10月8日、9日もやっているそう。
http://www.topics.or.jp/localNews/news/2017/10/2017_15073386320773.html

小学校のなかにある杉尾神社の秋祭りが開かれるらしいので、
この二日のほうが人が出るような気がする。
(小学校の校庭に神社があるとは珍しい)

中流の星谷付近(左岸)。土手と河畔林と夏草を見ながら自転車でたどる
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横瀬付近。勝浦川の横瀬立川の鮎は日本一という人もあった。
横瀬付近は子どもがちょっと冒険をしながら川遊びをするのに最高の場所であった。
ダムができる前までは。
正木ダムができてからは大水が出なくなって
河原は草が茂るようになった。
水は濁るようになった。
かつて横瀬立川を流れた冷たいまでの清冽な水は失われている。
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飯谷は勝浦川中流でもっとも狭い峡谷の地形。
勝浦川の流れは勝浦町横瀬でいったん山間部から抜け出して
中流平野を形成するのだが
勝浦町の下流から徳島市飯谷町、小松島市田浦町に抜ける流路は
山間部をえぐるように苦しそうな蛇行をする。
隆起する山をものともせず浸食して流れる先行河川、横谷の地形である。
吉野川の大歩危小歩危や肱川下流もそうではないだろうか。
(ブラタモリファンなら見逃せない地形なのだ)。

台風で水没しそうな飯谷潜水橋。その向こうに飯谷小学校が見える
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特に飯谷小学校前の水衝部は
勝浦川でもっとも深いともいわれ
(15メートル以上?)
親父は「淵の底には洞穴があって渦を巻いている」と聞かされたそう。
または、その洞穴が小松島のほうへ続いているとも。

しかし、飯谷小学校前の深みは少なからず水遊びの犠牲者を出している。
それらの魂を慰めることが必要だろう。

一度勝浦町内の生比奈小学校にご依頼をいただいて
川について授業を行ったことがある。
飯谷小学校では、子ども向けのコンサートを開いたことがある。

この子どもたちは、もう大人になって
力強く未来を歩んでいる(応援している)。
輝実さんは上勝町の若きリーダー、
子育てをしながら遺志を受けついで歩まれている。
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地域に元気をとの願いで地元有志の方が始めたその初日である。
明日は人が多く来ることが予想される。

県道から見えるぼんぼりのような灯り
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竹林の光の帯は銀河となってたゆたい、いのちの誕生を伝える
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かぐや姫の影が見えてくる
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あなたにはかぐや姫の誕生が見えますか?
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竹は伸びるときは1日に1メートルは成長する。生命力の極みの植物。
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それはそうと、勝浦町では
さかもとあかりの里がまもなく始まる。
 → 2016年のさかもとあかりの里

タグ:2017 勝浦川
posted by 平井 吉信 at 23:12| Comment(0) | 徳島

2017年10月06日

小島の浜とモラスコ牟岐と砂美の浜(牟岐町)


この人は仕事をしているの?と思う人もいるだろうけど
仕事の時間は日本のワースト企業「電通」にも負けていない。
(となると労働基準監督署が査察に来るか?)

でも、大きな違いが。
それは仕事を楽しんでやっていること。
一見、困難な問題が現れると内心しめしめとゲーム感覚で
脳の神経細胞ネットワークが動き出す。
考え抜かなければ、新しいつながり(ニューロン)は生まれない。
感動や感性に蓋はしないで、むしろ最大限に広げるけれど
それと同時に精神の安定や達観とともにプロジェクトのマネジメントも行う。
(これが仕事を楽しくやるコツ。あちこち行って写真撮っているのは仕事ではないけれど)

さてと、合併せずに単独での自治を選んだ牟岐町には
生態系の豊かな場所がある。
(といっても一般的には関心を呼ばないので)
風光明媚な場所をいくつか。

小島の浜はすぐ沖に小島がある。
(だからそういうのかな?)
干潮時には渡れそう。小豆島にあるエンジェルロードのよう。
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浜にはモラスコ牟岐という貝の博物館がある(近くには少年自然の家がある)。
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数年前までは海中の豊かな生態系のツーリズム、
つまりスクーバダイビングのサービスを地元漁協が関わって行われていた。
牟岐の海は世界的なダイビングスポットと比べると透明度はやや落ちるけれど
生物種の多様性や悪天候時の稼働率(ダイビングの可否)は高いそうだ。

10月初旬の小島の浜はリゾートのようにも見えてくる
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トロピカルな雰囲気。
三好和義がミノルタ最後のMDマウンドの一眼レフX700で
楽園を撮っていたことを思い出す。
生活感のないセイシェルやモルディブの写真は
日常の生活に刺激と潤いを与えてくれた。
篠山紀信がシルクロードやアイドルを撮ったのもこのカメラ。
ぼくの手元ではいまも現役、完動。MD50/1.4を付けて。
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(ミノルタX700に35oF1.8、フィルムはベルビア、偏光フィルターではさらに明るい緑、さらに深い青が現れるといった構図。このカメラを持って南太平洋の島々を渡り歩きながら1か月を過ごした。360度深紅に暮れていくランギロア島の夕焼けは忘れられない → あまりの衝撃に写真を撮ることができなかった。フィルムへの郷愁を感じる人が増えているのは効率一辺倒でない生き方への憧れがあるから。あえていまの時代に使おうとは思わないけれど、その感情のうねりはよく理解できる。カセットテープをウォークマンプロ=うちでは現役で走らせてみたら感じられるものがあるよね。ブラウン管テレビはそろそろ寿命なのだけれど、ソニーの15インチと19インチはそれぞれ現役)



南阿波サンラインの外ノ牟井浜や明丸海岸からも遠くない。
ここは知られざる場所。
全長20キロの海岸線と渚に
休日でも1桁か2桁の最初程度の訪問者がいるだけなのだから。
牟岐の渚の良さは何もしないでいるとわかる(わかったような気になる)。

→ 南阿波サンラインの記事一覧

月の浜辺でウクレレを鳴らしてみると
加山雄三になれるかも。
(ここは砂美の浜)
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posted by 平井 吉信 at 22:50| Comment(0) | 山、川、海、山野草

初秋の中津峰 ラッキーナンバーは773


小松島市の郵便番号と同じ標高を持つ山が
小松島市のどの平野部からも望むことができる。
中津峰、中津峰山ともいう。

登山口に着いたのは15時を回っている。
この山にはちょうど良い時間。
これからが静かな山歩きが愉しめる。
実際に誰とも会わなかった。

如意輪寺の裏から登り始めたのだが
尾根の影に入ってすでに日は当たらない。
五滝の登山口からだと日は射してくると思う。

ふわりとした綿毛が道ばたのオブジェとなっても誰も気に留めない
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しばらくは杉林の尾根を登っていく
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やがて広葉樹の一角を抜ける。ここがいい。
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1時間ほどで山頂の神社へ。石垣をくぐろうとすると西日が入射する。
(出来過ぎた構図だが、ほんの一瞬のできごとであった)
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すぐに三角点。ラッキーナンバーは773
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山頂直下の休憩小屋
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南西方向は、那賀川下流の平野、日亜化学、橘湾が展開する
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神社の脇にきょう初めて見かけた山野草
フジではXF14mmF2.8 Rが想像を絶する写り。
評判の良いXF35mmF1.4 Rも甘く感じられる。
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杉林を抜けるとき、うたが聞こえてきた。
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雨がしとしと降る晩に 豆だが徳利持って酒買いに♪

那賀川の土手が草ぼうぼうであった頃、
タヌキが棲んでいると言われていた。
その頃、母の近所の酒屋(さえぐさのひでやんく)には
タヌキが酒を買いに来ると聞かされていた。

歌は誰かが歌っているのではない。
心の中で響いた。
狸に化かされないうちにと足を速めた。

苔むした岩は狸が化けるときに使う化け台ではないかと思って。
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狸に化かされるとすれば、まだまだ修行が足りない。
化かされる幻影を描いてしまうのは
心に隙があるから。
あるがままを受け容れていく度量があれば
かえって隙はなくなる。
真空がエネルギーで満たされているのと同じように。
(世の中、本質を見ていないすぐにだまされてしまう)。

タグ:2017
posted by 平井 吉信 at 22:26| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2017年10月04日

仲秋の名月2017


仲秋の名月の一日前、
牟岐町の砂美の浜にて
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(フジX-T2+XF14mmF2.8 R)

仲秋の名月が天頂にさしかかった
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(望遠レンズでもこれぐらい写るのだ)
ニコンD7200+AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VR
posted by 平井 吉信 at 23:35| Comment(0) | 気象

2017年10月03日

庭の花に一日を予感


昨日は大雨で牟岐線が止まったそうだが、
きょうは晴れ。
仕事で牟岐へ向かうのだ。
朝の庭は水滴を帯びた赤紫の花が薄曇りに咲いている。
きっと良い一日になる。
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(フジX-T2+XF35mmF1.4 R。手持ち)
タグ:2017
posted by 平井 吉信 at 22:23| Comment(0) | 家の庭

2017年10月01日

藍について 徳島と藍 ジャパンブルーと藍色


現在は見る影もないが、かつて全国有数の商都であった徳島市。
それは藍の豪商がいたから。
吉野川の大水が運ぶ土佐水(上流の土佐に降った雨が洪水となるのでこう呼ぶ)が
流域の土地に肥沃な土と、山の栄養分を海にもたらした。
藍の作付はその名残である。

先日の徳島新聞で徳島経済研究所の上席研究員の大谷博さんが書かれていたように
藍染めについての表記がわかりにくい。
それに触れる前に少しだけ藍染めの説明を。

友人の藍染め作家、石井孝明君は藍染めの啓発の資料を作成している。
以下はその引用。

《藍草栽培の年間スケジュール》
3月・・・・・・種まき
4〜5月・・・定植(ていしょく)
6月・・・・・・間(ま)引き、害虫駆除
7月・・・・・・一番刈り
8月・・・・・・二番刈り 
9月から染料づくりがはじまる。
乾燥させた藍草は細かく刻まれ、茎を取り除く
葉を 100日ほどかけて発酵させたものを「すくも」と呼ぶ。

すくもは、藍染めの色素・インジゴを3〜5%(100kg中3〜5kg) ほど含有する。
インジゴは普通の水には溶けないので、藍染めできる液に作りかえる必要がある。
このことを「藍建(あいだて)」、あるいは、単に「建(た)てる」という。
これに熱湯、アルカリ材(灰汁)、ブドウ糖(酒)を加える。
染色可能な状態になれば、
液面が濃い青ムラサキ〜ウルシ色に変わる。
表面には「藍の華(はな)」と呼ばれる泡が現れる。
香りも一気に変わり、目にしみるような発酵臭がしはじめる。

(引用ここまで)

とのことで、染めるまでに数ヶ月を要する。
すくもをつくって染める技法を「灰汁発酵建て」という。
発酵により色が濃く鮮やかになるのが特徴で
本藍染めなどと呼ばれるのはこの技法。

石井君の作品を本人の許可を得て掲載
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これは「空と海」と題してぼくをイメージしてつくってくれたもの
事務所にいつも吊してある。工芸品というよりは空気のような存在。
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県内には藍染め作品を展示販売している場所がいくつかある
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藍染作家の梶本登基子さん
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海陽町の(株)トータスでは、藍の機能性に着目し
手間のかかる無農薬での自家栽培の藍を使った藍染め商品を販売している。
しかも手頃な価格設定である。
(「ガイアの夜明け」でも紹介された)
おだやなか笑みを浮かべた亀田悦子さんのお話しを聞いていると
和んでくる。
https://www.youtube.com/watch?v=WSKk5Z0dy48

このトータスで10年働いて、2017年春から独立してお店を開いたのが
永原レキさん。
海に面したIn Between Bluesと名付けられた店は
仲間とともに改装したもの。
カフェ、藍染め工房(体験もできる)、藍染めサーフボードも販売している。
徳島では藍染めが取り上げられると若い作家ということで
紙面でお目に掛かることが増えている。
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ぼくは空と海だけど永原さんは海と空。ともに共通項はこの人である。
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さて、藍染めの分類については「すくも」(灰汁発酵建て)のみならず
藍の葉の乾燥葉を砕いて発酵させずに藍染めを行う製法(灰汁建て)もある。
色調に違いがあったとしてもそれは好みの範囲。
これらは「藍染め」の表示で良いと思う。
(このやりかたでなければの「原理主義」は業界の衰退を招くと考えている)

それに対し、みやげもの店などで長年にわたって販売されてきた手頃な価格の製品は
化学染料である。
従って、藍染め(天然)、藍染め(化学染料)の二種類の表示がわかりやすいと思う。
藍染めと記しながら化学染料と添えるのは矛盾するようだが
これまでの慣例も認めることで業界からの反発も抑えることができる。
少なくとも天然と化学染料を表示で識別できるようにしておきたい。
(知らない人が外観で見分けるのはむずかしい)
藍染め作家、職人の手仕事に敬意を払いたいから。


追記

徳島県は、7月24日を「藍の日」と定める条例をつくっている。
http://www.pref.tokushima.jp/gikai/honkaigi/jyorei/index10.html
https://style.nikkei.com/article/DGXLZO18785090S7A710C1LA0001?channel=DF220420167266

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なぜ、藍かって?
夕焼けとトマトのあとでは青が恋しくなったでしょう。
posted by 平井 吉信 at 22:36| Comment(0) | 徳島