2017年09月02日

吉野川のカンドリ舟 瀬音とともに在りし夏を刻む


カンドリ舟とは、竿をさして使う木製の舟。
エンジンは付いていない。
吉野川や那賀川のような大河では陸から近づきにくい場所に舟をとめて
鮎釣りをする。
叔父もカンドリ舟を持っていた。

ある日、従兄弟とぼくとでカンドリ舟を漕ぎ出した。
那賀川は海まであと10kmという下流でも流れが早い。
ゆるやかなたまりから
左岸の水衝部に向けて数百メートル下る瀬がある。
瀬が下ると左岸のテトラにぶつかる。
瀬の降り口に差し掛かるところでイカリを降ろしたが
舟は止まらなかった。

たまたま近くで舟を浮かべていた人が異変に気付いた。
ずるずると流されていく子どもの乗った舟は
なんとか助け出され
駆けつけた叔父から怒られたことがある。
(あとで酒を持ってお礼に行ったそうだ)
http://soratoumi2.sblo.jp/article/114871337.html
http://soratoumi2.sblo.jp/article/178913014.html

瀬の下りでとまっている舟があっても
それは上手のトロ場にイカリを降ろして
そこから長い距離をロープで引っ張っている、ということがわかった。

それから数年後、
台風の大水が出た。
那賀川は黄色い濁流となって渦巻いていた。

こんなとき、アユが流されてたまっている場所がある。
それを網ですくいに行こうとしたのかどうかはわからないが
叔父はひとりで舟を漕ぎ出した。

ところが、その舟は濁流に流されて
(おだやかな夏の日に子どもらの無謀をたしなめた瀬である)
下流のテトラに激突してしまったのだろう。
毎日、海までの川筋を仕事を休んで探し続けた。
発見されたのは海まで数キロの下流であった。
(以前に狸に化かされたと書いた場所である)
http://soratoumi2.sblo.jp/article/177277035.html
この場所もいまでは日亜化学に続く自動車道路の橋ができようとしている。
カンドリ舟にはそんなできごとがあった。

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吉野川のような大きな川の魚は強い水流に対向するせいか
大味なような気がする。
やはり穴吹川のような支流がおいしい。
もっともこれは水温が影響するのだろう。
剣山山系から流れる凍り付くような水が流れる穴吹川では
下流でも水温が低く保たれるに違いない。
(もっとも夏の夜に穴吹川で泳いだごとがあったが、水はぬるかった。なにごとも実験=体感してみないと気が済まないのである)

吉野川でもっともカンドリ舟が絵になる場所がある。
三野町太刀野地区である。
道の駅三野から少し上流で吉野川の屈曲点に当たる。
(残念ながら吉野川を見下ろす徳島道はこの区間はトンネルとなって見えない)

この日もカンドリ舟が出ていた。
なんと典雅な夏の日の過ごし方だろう。
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齢八十を超えていると聞いている
町内の舟大工(原久夫さんと小原寛次郎さん)は息災でいらっしゃるだろうか?

posted by 平井 吉信 at 17:06| Comment(0) | 山、川、海、山野草

真夏の湿原に舞う

おとなの夏休みは避暑地で。
海辺も悪くないが、海水浴の喧噪は避けたい。
そこで池田高校のあるまちへ向かう。
駅から山間部へ40分ほど行ったところにその湿原がある。

目を閉じれば、虫の声を識別しはじめる。
そして目には見えなくても空気の動きで高い空を感じている。
木道を歩く靴音、湿原を渡る風、生き物が動く水の音。

しばらくは言葉のない湿原散策をどうぞ。

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真夏の湿原を歩くとき
同名の曲が流れてくる。

太陽はいつも真上にある。
暑い!
汗を拭いつつ空を見上げるだろう。
上向きの視線は夏の契約である。

真夏の湿原を半日歩いたら
もうここから抜け出せなくなる。

ニホンカモシカがまたおいでと。
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真夏の湿原は毎年8月にやってくる。
同じ8月は二度とないと知っていても。
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タグ:2017
posted by 平井 吉信 at 11:40| Comment(0) | 山、川、海、山野草

9月の声聴く 牟岐かんば坂からの里山の夕暮れ


9月1日となって涼しい。
今年の夏は暑かったらしいが
仕事に全力で取り組んでいるけれど
夏バテもせず食欲も落ちず疲れもたまっていない。
九月は一年でもっとも心地よい風が吹く。
夏と秋の橋渡しを行ったら音楽の季節の扉がひらく。

エアコンを取り払って数年。
昨年は暑さの影響を感じて体調がやや芳しくなかった。
今年はもう順応できるようになったということだろう。

夜寝るときは扇風機をつけることはあった。
ただしトヨトミの32段階可変の扇風機の風量1に設定して
身体に風をあてず室内にそよ風をめぐらすという感じ。
それも2時間で切れる設定にしていたが熟睡できた。
(寝苦しい夜は一日もなかった)

そして気温が30度を切ると
もう涼しいと感じる。扇風機をしまう頃合いとなってきた。
秋来ぬと目にはさやかに見えねども
過ぎゆく夏をなつかしむ矛盾の時季。

牟岐に仕事で訪問する途中、
かんば坂を過ぎて長い下りの途中、
牟岐川支流が流れる里山が見え始めると空が焼けてきた。
日中は青空が広がっていたが、夕方になって雲が出てきたので
これは色づくのではと期待していた。

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白い点が水平に数カ所見える。
太陽はすでに沈んでいる。
太陽の光点の幻影だろうか?

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時間の経過とともに里山も空も群青が優勢となっていく。
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風の音にぞ驚かれぬる―。
秋の到来に心をときめかせた。
タグ:2017 牟岐
posted by 平井 吉信 at 11:03| Comment(0) | 山、川、海、山野草