暗転 


東京での出張のこと。
全国からの参加者との会議をコーディネート、
その後の懇談も終わって宿泊先へ戻ってテレビを点けた。

眠りに向かう前のニュースで母校の名前が聞こえてはっと振り返ると
徳島道での重大事故(詳細は触れない)。
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お悔やみとかご冥福を、などとと書けない。
一生に一度だけ時間を戻せるならそれがなかったときへと。
(因果律は変えられない)
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空高く過ぎていく夏に予告なしに訪れた明日の来ない夕暮れ。
一瞬先のことさえわからず生きている。
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この感覚はてのひらの幸福を確かめるようで
身の回りの人たちを通じて抱きしめるようで
震災以後、日本人に刻まれたもの。
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黙祷―。


posted by 平井 吉信 at 22:13| Comment(0) | 山、川、海、山野草

祖谷川源流 剣山秘話


鳴門秘帖も阿波狸列伝もここが舞台ではないかと想像させる。
斜面に開けた源頭のわずかな平坦地で沢が流れ
水利に事欠かない。
大岩の洞窟が座敷牢となっているというもの。

まさのそのような地形がある。
剣山と祖谷川がつながらない人もいるだろうが
祖谷川源流は剣山北西斜面から流れ出す。
(ここは沢登りとしても人気のあるコースと記憶)

西島駅からの下りでリフトに乗らず見ノ越まで歩くとしよう。
(リフトに乗ってしまえば山頂登頂の充実感は得られるけれど、今回紹介したほとんどはリフト経由の山頂往復では見られない)
そこで勇気を持って笑う膝を抱えつつ下り始めたとしよう。
歩き始めてすぐに巨岩が横たわり、
岩に沿ってまっすぐ降りる急な段差の路(一般的な見ノ越への路)と
岩を左に巻くように祖谷川源流まで降りたあと、
平坦なトラバースが続く距離が長いルートの2つがある。

もし足が下りの衝撃に耐えがたいときは(膝に負荷がかかっている状態)
距離が長い祖谷川ルートが楽なことを覚えておくといい。

西島神社がある大岩を左へと下る。
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祖谷川の源流筋にほどなく降りる。
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そこでくるりと右を向いて平坦なトラバースが始まる。

ほどなく行くと大岩のふもとが見えるようになる。
間者牢もこのあたりでは?
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源頭の沢まで降りれば平坦。
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苔むした路はこのルートの白眉
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森の巨樹に足を止める。ここはそれだけ快適だから。
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祖谷川本流の源流にさしかかったようだ。
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ここを過ぎれば西島神社からの一般道(近道)とまもなく合流する。
見ノ越まではひといきだ。


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リフトを使って山頂をめざして初めてたどりついた高齢の母が
足元の雲海や森林限界を超えた笹原に感動したように
剣山は誰にでもさわやかな感動を与えてくれる。

しかし一歩踏み出すと剣山は深淵をじわりちらりと見せてくれるようになる。
そのためには剣山と周辺のコンテンツを数十年かけてめぐることが必要となるだろう。

剣山には、ヒュッテと測候所の歴史、山岳信仰と修験の場、奥祖谷との一体性、災害と遭難の記録、
ふもとの木屋平村での巨樹の発見の物語や世界遺産登録をめざす急傾斜地での農業などの実話。
シコクシラベ、キレンゲショウマ、ヒメフウロなど固有の生態系、
さらにテレビも追いかけた大蛇、ツチノコ、
歴史をひもとけば平家落人、空海、古代ユダヤ・キリスト・アーク、
邪馬台国・卑弥呼などの伝説
(よくも洋の東西を問わず英雄やキーマンが集まったもの。まだほかにもあるかもしれないが)。
そしてそれらを舞台に描かれた小説。

それだけ多くの人を魅了する逸材が散りばめられ、
それをめぐる人々の隠匿と陰徳が交錯しつつ
複雑なタペストリーを編み込みながら微笑をたたえた山ということなのだろう。
西日本第二の高峰(1,955メートル)の深部にはまだたどりつけていない。

タグ:剣山
posted by 平井 吉信 at 11:22| Comment(0) | 山、川、海、山野草

剣山 御神水 大剱神社


次郎笈からのトラバース道で西島をめざすと
巨岩と赤い屋根の建物が見えてくる。
行場にかけて剣山北斜面には石灰岩層が広がっている。
太平洋プレートの押し出しで海がせり上がったという説がある。
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巨岩を従えた大剱神社の下では石灰岩の湧き水「御神水」がある。
石灰岩をくぐり抜ける水だからまろやか、水が腐敗しないという人もいる。
この水場で水を汲むのが登山の目的という人も少なくない。
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だからお願いしたいこと(肝に銘じて欲しいこと)がある。
この水場で手を洗ったりペットボトルを沈めて水を入れないで欲しい。
しばらく水場でいると、声を掛ける間もなく、やってしまう人がいる。
(悪気なくやってしまうのだろうが、表示がなくても少し想像力を働かせればわかることなのに)
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水場から西島神社へのトラバース道は崩壊しているので
いったん大剱神社へと登り返す。
上へ向かう道すがらで岩を違う角度から眺める。
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時間帯によっては授与所に神職もしくはゆかりの方がおられて授けていただけることがある。
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神社からは西島駅まではすぐに着くが、上へ上がれば山頂をめざすルートとなる。
直登ルートと比べれば距離はやや長いが楽なので
体力に自信がない人は西島駅から大剱神社経由で山頂をめざし、
同じルートで戻るのが良いだろう。
不思議なのは、このコオニユリがどこから来てこの垂直の岩場に定着したのかということ。
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大剱神社からさらに上がると
高度感のある岩塊が次郎笈を背景に見られる。
一部しか写っていないが、右手は御神水を育む巨大な石灰岩である。
岡本太郎の作品のように天に突き抜ける。
ぼくはここで手持ちの水を飲んだり栄養補給をする。
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さらに頂上近くに亀石、鶴石と呼ばれる巨岩がある。
ここから見えるこれらの岩がそうなのかどうかはわからないが、
何か力を宿しているように見えなくもない。
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なだらかな山頂からは想像できない森、谷、岩が剣山の魅力をつくる。



タグ:剣山
posted by 平井 吉信 at 00:55| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2017年08月24日

剣山 稜線と山頂


刀掛の松で休憩すると山頂は近い。
夏雲の手前で霧が流れ
その間隙にさっと夏の太陽が現れると
ぞくぞくする時間が訪れる。
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山頂直下の剣山本宮宝蔵石神社、となりに頂上ヒュッテ。
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神社のご神体となる宝蔵石
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山頂の傷みを防ぐ木道でなだらなか山頂を三角点へと向かう
山頂周辺はベンチがたくさんあり、思い思いに休む。
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山頂をさらに過ぎると西の次郎笈に向けての下りが始まる
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剣山から見る次郎笈の造形の美しさ
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剣山の南斜面、槍戸山方向の笹原と森林限界を超えて存在する樹木
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カンタロウを見つけた。まだ小さいほうだ。あざやかな紺碧が太陽に光る。意外にも足は早い(足はないけれど)。
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御神水(おしきみず)、大剱神社を経由して西島駅に戻る北面のトラバース道はもっとも愉しい散策路。そのまま下ると次郎笈峠を越えて登りへと変わる
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後ろを振り返ると剣山のなだらなか南斜面
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西島駅が近づいてきた
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タグ:剣山
posted by 平井 吉信 at 23:39| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2017年08月21日

剣山 夏の山野草


剣山はもとより、標高1,800メートルを超える四国の山の象徴は笹。
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カバとトットでカバトットというアニメがあった。
カニの甲羅にコウモリの羽根でカニコウモリ?
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ナンゴククガイソウには虫たちが群がるが、花の盛りを一足先に過ぎた。
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華を持った花、造形の妙、葉っぱの下でかくれんぼまでするキツリフネ
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艶姿ナミダ娘 色っぽいね
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すみれ色の涙というよりも天真爛漫なソバナは剣山の夏を彩る碧い宝石
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白いソバナ かつて白いソアラが人気だったあの頃
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青空の澄んだ色は初恋の色
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花の数でもたおやかな美しさでも凛としたたたずまいでもシコクフウロ
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ザ・ピーナッツ? あみん? ベッツイ&クリスは違うみたい
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駈けてきた乙女
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ギンバイソウ かつて横浜にいた銀蝿草? いえいえ銀梅草です
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剣山の石灰岩地、行場で見かけるかれんなヒメフウロ
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紫の山野草ということで
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幸福を呼ぶオトギリソウということで
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幸せを呼ぶ白いハナウドということで(サッカーはしません)
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コモドギク、レイジンソウは見落とした。
チドリの仲間も見かけなくなった。

植物の花と人間の花とどちらがいいかはわからない。
ただ、人間の花は肖像権があるので…。

タグ:剣山
posted by 平井 吉信 at 23:22| Comment(0) | 山、川、海、山野草

剣山 キレンゲショウマの谷


これまでに何度も書いてきたので
今回は写真のみで。

霧深い谷の湿潤な大気に凛と咲く風情が美しい。
下をうつむいている花もあれば
天を仰ぐ花もある。

2017年の夏、キレンゲショウマと剣山。
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キレンゲショウマをあとに刀掛の松に戻る。
天涯の花」で描かれたはかなくもまばゆい光景を霧のなかで思い出している。
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よみがえるキレンゲショウマの谷 剣山
http://soratoumi2.sblo.jp/article/176467785.html

冬の「天涯の花」しずかに
http://soratoumi2.sblo.jp/article/110750913.html

台風に負けず キレンゲショウマ、剣山(2014.8.14)
http://soratoumi2.sblo.jp/article/102456212.html

誰のため? キレンゲショウマ
http://soratoumi2.sblo.jp/article/85576708.html

剣山 2013 キレンゲショウマ・パルマータ 
http://soratoumi2.sblo.jp/article/72167914.html

キレンゲショウマ 2013
http://soratoumi2.sblo.jp/article/69483208.html


夏の剣山、キレンゲショウマ、そして次郎笈
http://soratoumi2.sblo.jp/article/57577968.html

剣山の山ふところ
http://soratoumi2.sblo.jp/article/57414716.html
posted by 平井 吉信 at 22:32| Comment(0) | 山、川、海、山野草