2017年05月30日

木沢の休日 初夏の滝 透明度の高いこの湖は?


那賀川上中流部を丹生谷(にうだに)という。
広義では、下流の那賀川町、羽ノ浦町(現在はともに阿南市)を除く
那賀郡を指す言葉と理解している。

丹生谷は、鷲敷ラインに始まる。
相生、上那賀と遡り、
那賀川が本流と最大の支流、坂州木頭川に分かれる。
本流を遡れば(旧)木頭村、支流を遡れば(旧)木沢村となる。

那賀川上流域は大台ヶ原と並んで多雨地域である。
1976年9月に木頭村で日降水量1,114mmを
2004年8月には上那賀町で1,317mmを記録している。

那賀川は無数の沢の水を集める急流で下流ですら流れが早い。
ダムができる前は木頭にカワマス(サツキマス)が遡上し
支流の沢に入ると昼なお暗い森林に覆われて恐怖を感じた、
と土地の古老が語ってくれた。
ダムがなければ日本有数の急流清流として名を残していたものを。

かつて細川内ダム計画をめぐって木頭村は国の方針に抵抗した。
亀井建設相の英断もあって、歴史を振り返ると正しい選択であった。
地元のみなさまの計り知れない苦悩を身を持って知っている。
そのDNAを受けつぐ人が木頭に光を当てようと
自らの会社を上場に導いて尽力されようとしている。
未来を切りひらく思いこそがこの国を動かしていける。

支流の坂州木頭川を遡ると木沢。
(ややこしいが木沢に木頭という集落がある。川の名称はそこから付いたのだろう)。
四季美谷温泉、さらにその奥のファガスの森を拠点として、
スーパー林道界隈の山々を探訪する人たちで賑わっている。

まずは四季美谷温泉を尋ねてみる。
こちらはジビエ料理として地元で捕獲された鹿をメニューとしている。
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楽しみな一品が季節ごとにある。
イワタケのすしや、今回のコシアブラの天ぷらなどもそうである。
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四季美谷温泉の前は槍戸川(坂州木頭川の上流部)が流れている。
温泉から川辺まで歩道で降りていくこともできる。
温泉前には新居田の滝があるので見ておくといい。
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温泉から少し後戻りして大美谷湖へ向かう。
水の存在が湖底のゆらめきを写す透明度。
もちろんここも観光地ではない。
付近には農村レストランがある。
稀少な山野草の宝庫ともいわれる蛇紋岩の露出も随所に見られる。

滝王国 木沢の象徴 大釜の滝DSCF7807.jpg

大美谷湖の魅力を伝える写真はインターネット上では見当たらない
良いかどうかは見る人の判断に委ねるとして。
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村内にはこんなにかれんなユリが咲く
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木沢の休日はいったんリセット(帰宅)して翌日に続く…。
posted by 平井 吉信 at 21:32| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2017年05月21日

南四国、風のとおりみち、ミネラルの回廊、海部川


穴吹川とか仁淀川が水質日本一となったことについて
異論を挟むのではないけれど
一級河川(国土交通省の管理)のなかで、という注釈付である。
それより水質の良い川は全国どこにでもある。
人家のない上流域ではどこの河川も水質は良好なはずだが、
水質を測定する基準点での測定結果ということ。
でも、川は水質だけでその価値は判断できない。
(世の中、1番をめざすことに価値があることもあるけれど、順位よりも大切なこともある)

流域に雨が多いこと、
流域に人口が少ないこと、
流域の森が広葉樹、もしくは混交林を中心に管理されていること。
(地元の森林組合や林業家のご尽力)
そのためミネラルの循環=生態系の連鎖が途切れていないこと。
その結果、人々の暮らし(風土)が川と密接に結び付いていること。
つまり川は水質だけで決まらない。
水質が良いのは当然としてそれだけではないということ。

地球上でこの定義を満たす川があるとしたら、
温帯モンスーンの川文化がある地域、
そうなると日本、
それも南四国、次いで南紀しかないだろう。
(屋久島の川は美しいが生態系という視点ではどうだろう。花崗岩の岩盤を流れる渓谷がそのまま海に流れ込むので生物相が豊かとは言えないだろう。屋久島の川を実際に観察した感想から)

だから、南四国の川資源は、観光や文化、風土において差別化要素となり得るし
保全のための啓発と資金を投下する価値がある。
○○ノミクスや経団連では、
一見正義に見える経済合理性や比較による横並びの発想はあっても、
異なる確度から独創的な個性を大切にする行動や考えは生まれないよね。
個性を、どうお金(経済)に結びつけるかを考え始めると
施策の迷走が始まる。
連携ってその最たるもの。
(○○連携から独創的な価値が生まれる?)
個人番号、消費増税、補助金ばらまき、共謀罪…。
その先に忍び寄る影を国民は曇りのない目で見抜かないと。
皮肉なことに、クールジャパンをもっとも喜んでいるのは日本人のようにも見える。
日本人すごい!と外国人に言わせて。
(それが震災からの復興の後押しになったならそれも否定しないけど)
ただ、本質的に存在するものにプロモーションなど要らないよ。

川の話に戻る。
先の条件をすべて満たす川は四国でもそう多くない。
ダムがなく、川がそのまま渚へ注ぐことで
山のミネラルが海へ届けられる。
ダムがあるとフルボ酸鉄が減少することは知られている。
1998年に気仙沼の畠山重篤さん(「森は海の恋人」の著者)にわざわざお願いして
主催者として徳島で講演会を開いた。
そのときに畠山さんが教えてくれた。
地元気仙沼も2011年に大津波の被害を受けたが、数年をかけて養殖筏は復元され、
いまも現役でいらっしゃることをNHKのドキュメンタリーで知った。

ミネラルは山と海をつなぐ。川はミネラルの回廊。
だから南四国の海部川と野根川に絞られる。

このところ雨らしき雨が降っていない。
川底は必ずしもよくないのではと思ったが
(大水で川底の栄養物を流すことがときには必要=川の清掃)
意外にも、この日の海部川は良かった。
誰もいない。
ひとりで水辺に立って水面を眺めている。
10分、20分、1時間、2時間…。
こんな贅沢はドバイやマリブのプールでもできない。


国道から右岸の堤防をたどると支流の母川がある。
濃密な河畔林と大きな岩の割れ目、
そこにはオオウナギが棲むと言われている。
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→ 徳島県立博物館の佐藤陽一専門学芸員の論文
http://www.museum.tokushima-ec.ed.jp/kiyo/2016/26_49-55%20Sato.pdf
母川が群を抜いてオオウナギの捕獲例目撃例が多い。
ただし河川改修工事後は確認例が激減しているらしい。
それにしても博物館、文書館、図書館、美術館などの
文化予算は削減してはならないと思う。
地球が教えてくれること、
長い時間が語り掛けてくれること、
人の営みが綴ってきた風土、
唯一無二の存在の芸術などが教えてくれるのは
過去から未来へ流れる時間を糧に、教訓にして生きること。
LEDやデジタルアートなど一過性のパフォーマンスを政策(手柄)としてアピールしても何も残らない。

→ 鞆奥漁協
http://tomo-kuroshio.com/index.php?%CA%EC%C0%EE%A4%CE%C2%E7%A5%A6%A5%CA%A5%AE
オオウナギの写真が掲載されている

母川から分かれて再び海部川本流へ
河畔林の切れ目から水が見えると覗き込んでしまう
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上流からゴムボート(インフレータブル式のカヤック)が流れてきた。
ぼくのファルト(アルミパイプを組み立てて布をかぶせる組み立て式)は面倒でだいぶ使っていない。
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アユの解禁前なので釣り師もいない。静かな川面を滑る一日を満喫されているよう。
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この水の色は、フジX-T2の撮影したそのままの画像で見ていただいている(プロビア)。
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新緑とそれが水に落とす影の階調
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山裾を洗う中流域(樫の瀬付近)
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1時間も立ちすくんで何をしていたの?
風が収まるのを待っていたから―。
風紋があると水底が見えないから。DSFT0854.jpg

この岩から飛び込んだもの。
水深は3メートルぐらい、水位が上がると5メートルぐらいになる。
竹林を背に、淵と瀬があり、
砂と砂利はテント設営にうってつけ。
しかも水面から3メートル上がっている。
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夜が更けつつ、たき火を眺める。
カジカの声を聴きながら、ときどき水に入ってテナガエビを取る。
アユは寝ているようだが、モクズガニは夜に浅瀬に出てくる。
捕まえたら茹でて食べる。
静かに川の時間が過ぎていく。
1995年までは。

海部川を海部川ならではの存在にしているのはこの河畔林。
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河畔林に沿って風が流れ、鳥や虫も移動していく。
河畔林は風と生き物の通りみち。

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ここは南四国、風とミネラルの回廊、海部川。


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追記1 速報 ツクシイバラ 開花

ツクシイバラの前にムラサキカタバミ。田んぼのあぜの木陰で涼しげだったから
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前年は雨の日に見た。快晴よりも雨のほうが花があでやかに見える。
http://soratoumi2.sblo.jp/article/175489220.html
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追記2 フジX-T2 フィルムシミュレーションのテスト
上から順にプロビア、アスティア、ベルビアの3枚を掲載。
フジX-T2+XF14mmF2.8 R 
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第2世代の画像処理(X-Trans CMOSU)では
色が派手でちぐはぐな印象があったアスティア、
緑や花が造花のようでしかも赤系の花の色が飽和しがちなベルビア、
やはりスタンダードと称されるプロビア以外は使えなかった。
それが第3世代(X-Trans CMOSV)では
フィルムシミュレーションが実用になった。
(余談だけれど、第2世代でベルビアを愛用しているプロカメラマンのコメントを見ると、こってりした食事ばかりされているのでしょうね、と声をかけてみたくなる(^_^;))

フジX-T2+XF35mmF1.4 R
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フィルムシミュレーションは、デジカメ時代にフィルムを交換するように
画像処理技術で色調を変化させる楽しみを提供するもの。
第2世代では、変化が大きすぎて、
どの色を信用して良いかわからないバラツキ感があった。
第3世代では、違いがあるけれども個性として受け容れられるようになった。
基本の軸がしっかりしていて、そこに微妙な個性を乗せている。
その結果、第3世代の画像処理では色彩の忠実度が増して
階調がなめらかになった。
メリハリと見ための立体感があるのは第2世代。
自然ななかにフジの記憶色が昇華されて
陰翳を伴う立体感があるのは第3世代。
フジのX-Trans CMOSは第3世代になって画像として完成した印象。

posted by 平井 吉信 at 16:06| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2017年05月20日

「四国一の清流」は四国のどこにでもあるけれど 初夏の穴吹川 せみしぐれには早い 


四国の川で水質が1位ということは
全国でも上位(おそらく1位)。
人口の少ない四国では
川にかかる負荷が少ないこともあるけれど
なんといっても雨が多いこと。
流域の森が管理されていれば
清流はどこでもあるがままの表情をしている。

穴吹川流域は昭和50年代の剣山の山腹崩壊で
源流域の谷が埋まって渓相が一変したという。

それほどの災害を受けて、
上流域は砂防堰堤だらけになりながら
(それが長い目で見て災害の抑止力になっているかどうかは疑問)
中流以降は本来の川の力を取り戻して
四国一の清流として夏場は子ども連れの銀座となる。

いまは初夏。
といっても誰もいない。DSFT0509-1.jpg

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仕事でふと通り過ぎようとしたとき
思い出したように立ち寄った。

でも、四国一の清流と呼称がないだけで
それ以上の川が四国には数え切れないぐらいあることをご存知ですか?

(フジX-T2 XF35mmF1.4 R)
posted by 平井 吉信 at 10:17| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2017年05月14日

霧雨の湿原に薄日が射した ヤマツツジの桃源郷 二度とないこの瞬間 黒沢湿原


嵐が通り過ぎた翌日、仕事の帰りに阿波池田I.Cで降りて向かったのは
黒沢(くろぞう)湿原。
池田町から林道漆原線へ入る行程がわかりやすい。
道幅も十分で舗装もされているが、崩れやすいのが難点。
このところ慢性的に改良工事があるようだ。

林道を通過中にいつもの展望台に立ち寄るけれど霧が立ちこめて展望はなし。
そう。見たかったのは霧にむせぶ湿原。
この時期、サキゾウはもちろん、トキソウも開花していない。
春のスミレも終わっているだろうし、特に見るべき花はないと思っている。
ただ、霧の湿原が見たかっただけ。

湿原に到着するとひんやりした外気温。
霧雨とも霧とも言えないような湿度感の高いむせるような天候。
雨具を着てカメラを空気中に曝さないよう準備をしていると
霧雨がぴたりと収まった。
天気予報は回復傾向と言っていた。
もしかしたら、天気雨で虹が出るかも、などと下心も。

この日は新たに追加したフジX-T2の2回目の撮影。
微妙な光線下でどんな映像を見せてくれるのかとの期待もある。
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雨は止んだ。
鳥のさえずり、風に揺れる葉音、標高の高い湿原のすがすがしい気に浸って
木道をコツコツと歩いて行く。
自然のなかにいる―。音だけの幸福感。

人は生きていれば、それだけで幸福なのではないか。
その幸福を感じる回路を閉ざすのは自分自身ではないか。
とはいっても開け方がわからず、もがく人もいるかもしれない。
自分自身をむしろ遠くから他人を眺めるように観察してみてはどうだろう。
不幸をまとっているだろうか。幸福とは縁がないと言えるのだろうか。
だって、幸福の定義などないし、あったところで自分とは無関係。
だったら、自分で幸福を感じてみたらそれで十分ではないか。

おもしろいことに、富とか名声などが幸福感につながらないこともわかっている。
むしろ物質的な満足感は細胞の炎症を引き起こす、
という痛快な研究成果がある。
ここ数年の話だけれど、幸福、幸福感について解明されてきている。

湿原を歩き始めたときはそんなことも頭を過ぎるのだけれど
次々と新たな場面が目の前に現れると
獲物を前にした動物のよう。
ただしアドレナリン(戦闘/逃避本能)ではなく
空気に溶け込んでいくような存在が消える充実感。


(写真やカメラに興味のない人はこの段落は読み飛ばして)
新しく追加したのはフジのX-T2
このカメラは何度か触れてみたけれど
露出補正ダイヤルが使いづらい。
野外での負荷の高い使用に耐えるべきという
一部の意見を取り入れたのかもしれないが、
それによって99%を占める日常の撮影がしにくくなっている。
(プロサービスなどの特注で対応すれば事足りる)
露出補正は適度なクリック感さえあれば羽毛のように軽く動かしたい。
(しかもこのカメラ、軍艦部の内側にあるので、どんな肥満の人でもお腹でダイヤルを動かすことはできない。ミラーレスは撮像素子が映し出すので仮に露出補正のダイヤルが動いていても撮影する瞬間に気付くことができる、それなのになぜこんなに固くする必要があったのか?)
撮影って空気のような行為。
操作することが苦痛になったらそれはどうだろう。
X-T2は売れているけれど、
一見完成度が高そうで練られていないと感じていたから。

一眼レフのようなデザインもミラーレス風でないけれど
ダイヤルを3つ装備したデザインはむしろ好きだ。
まんなかにのぞき穴があるのは液晶ディスプレイに鼻の脂がついて
画像の確認がしづらくなると予測したとおり。
この点ではこれまで使っていたX-E2が洗練されている。
だから併用(追加)することにして
X-E2は、XF18-55mmF2.8-4 を付けて
X-T2には単焦点(XF14mmF2.8 R、XF35mmF1.4 R)を付ける。
やがて発売される中望遠マクロが楽しみではある。

カメラの話は置いといて黒沢湿原を描写してみる。
山野草は端境期だけれど
ひとつだけ萌えるような盛りの木の花があった。
これは知らなかった。
知らなかったけど、言葉を失う華やかさ。
それは…ヤマツツジ

歩道のあちこちで、周囲を丘に囲まれた湿原のあちこちで
それぞれ色が違うヤマツツジ。
道路の植え込みにあるような蛍光色ではなく
日本固有の朱を帯びたと形容したい、鄙びたあでやかさ。
それが重なり合って輪郭がにじむように饗宴している。
まずはこのカットから。
どんよりとした大気、その湿原の空気にひんやりと開いた花。
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X-E2+XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS プロビア

見慣れた色だけれど鮮やかに再現してくれた。
露出はこのぐらいの切り詰めた感じがこの空気感を伝えているようで。
でも、当初から感じていたあざやかな色(フジでは記憶色と呼ぶ)の違和感が残る。
ぼくがニコンを併用しているのは、色を通じて知りたいことがあるから。
(ニコンD7200では色の不自然さは感じない)。

湿原の丘を彩るだけでなく湿原にも光をお裾分け
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X-E2+XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS プロビア)

ここからはX-T2+XF35mmF1.4 Rで。
驚いたのはこの色彩。

X-E2など第二世代の画像処理では、
プロビア以外はほとんどフィルムシミュレーションを使わなかった。
ベルビアで花を撮れば飽和して微妙な陰翳がつぶれるし、海や空が一本調子となる。
(サイケ調のアートなどには良いだろうが、ぼくの撮りたいものには向いていない)
アスティアは色彩がはしゃぐ感じ。
プロネガスタンダードは忠実なようだが、生気に乏しい。
かつてフジから発売されていたフィルムを模した色再現が選べるのだけれど、
どれも変化球としか感じられず。

X-T2のそれは第三世代の画像処理となっている。
これ、プロネガ スタンダード。
あの地味だったものが滋味豊かな再現に。
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これもそう。息をのむようなやわらかくも濃密な再現DSFT0265-1.jpg

同じ被写体でプロビアとプロネガを比較したのが次の2枚。
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うん、どちらも使える。
いや、そんなマニアックな話はどうでもよく、ひたすら花が空気に溶け込むような。

生きる歓びが湧いてくる。プロビアにて。
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湿原にぽっと浮かび上がるユリのようなツツジ。
このしとやかさ、プロネガでなければ。
まるで女性を撮影している気分になってくる。
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湿原の中景をベルビアで。
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第二世代(X-Trans CMOSU)では色が飽和するベルビアはまったく使えなかった。
薄曇りなどの遠景であっても
被写体をすべてベルビアトーンにしてしまう。
これではやわらかな自然の息づかいが感じられない。
ところが第三世代(X-Trans CMOSV)ではベルビアはその存在感をプラスに変えている。
銀塩写真での偏光フィルターのように緑を明るく、水面を暗く映し出す。

同じ24MセンサーのニコンD7200。
Flat Rich Colourという自作のピクチャーコントロールを使用。
第三世代フジのプロネガとも似ている(以下3コマ)。
湿度感の高い空気に溶け込みながら、
そこから妖艶な気がぽっと浮かび上がる。そんな表現ができる。
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再びX-T2(XF35mmF1.4 R)で
カエデの新緑が風にたなびくさまが切なくもうれしい
(プロビアとベルビアを適宜。見る人が見ればどちらかはすぐにわかるでしょうから)
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湿原の南端は滝となって落ちる。これは最初の滝。
ここから先にさらに落差の大きな滝があって
滝の上を遊歩道から眺められる。
(誰もいない。やはりここは四国、徳島)
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沢沿いのツツジは水辺の上にてうたう
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行きは遊歩道、帰りは林道を通るのがおすすめ。
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やや薄日が射してきた頃、湿原を望む丘に上がってみた。
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言葉で語ることをやめてしまった。
蛙の声が響く池田町の黒沢湿原、雨も上がれば鳥のさえずりも音高く。
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追記

X-T2の再現性は、前世代を凌いでいる。
http://amzn.to/2pxJflD
第二世代では鮮やかさを志向したものが
第三世代では色は深みが増している。

深みとは色が浮き上がらないでしっとりと被写体にたたずむこと。
精細感は言うに及ばず、階調の豊かさが違う。
解像度や切ればかりでなく、大人の味わいを付加したところがいい。
フィルムシミュレーションごとの
色の個性が立ってきたのに、色の違いが少なくなっている。
スマートフォンやInstagram用とは異なる土俵でこの世界を伝える道具としての使命がある。
X-Trans CMOSV搭載機は1世代前と比べて進化している。

さらに、7種類のオリジナルシミュレーションを準備した。
(1)プロビア・晴れ …これがベースでホワイトバランスをAUTOと併用
(2)ベルビア・風景使用 …オリジナルのコントラストをやわらげて画面に潤いを出している
(3)プロネガ・忠実使用 …オリジナルをチューンアップして見た色を忠実に再現しつつ見映えを付加
(4)クラシッククローム・ポートレート…透きとおる肌の質感を陰影感を再現
(5)アスティア・夢ごこち…巷で流行りのInstagram向きの仕様
(6)アスティア・リアリティ… 記憶色をやわらげながら立体感を付加したもの
(7)プロネガ シネマ…色温度も代えつつソフトな湿度感を伝える描画
※ モノクロはカスタマイズの必要はないと判断するので、フィルムシミュレーションから直接選ぶ。

いずれもダイナミックレンジは100%として操作性(というより記憶)を統一している。
(DR400%に設定すると感度も上がってしまう)
それよりはハイライト、シャドーの増減で調整している。

なお、第二世代と第三世代の色再現を比較された人がいらっしゃる。
感じているとおりの再現結果となっているようだ。
http://ganref.jp/m/fukunaga_kunihiko/reviews_and_diaries/diary/13952
http://ganref.jp/m/fukunaga_kunihiko/reviews_and_diaries/diary/13951

この方は、X-T2の改善点等について的確なレビューをされています。
特にインターフェイスの詰めが甘い点など同感です。
(貴重な情報とデータのご提供、ありがとうございます)
http://ganref.jp/m/fukunaga_kunihiko/reviews_and_diaries/diary/14138http://ganref.jp/m/fukunaga_kunihiko/reviews_and_diaries/review/10396

ぼくもフジフイルムに要望を。
前面ダイアルにISOを割り振ることができるのだけれど
そうなればISOダイアルの表示とは異なる場面が生じる。
画面を覗き込んで小さな文字を見て確認する不便さ。
メカニカルダイアルでも電子切り替えでもどちらでもどうぞの姿勢だが
それよりも操作の完成度を上げていくことが先決のように思う。
フジフイルムには、可読性や視認性なども含めて
人間工学的(インターフェイスもハードウェアも)な検証でブラッシュアップして欲しい。

さらに追記
純正グリップMHG-XT2を付けることで
握りの安定は格段に向上する。
http://amzn.to/2qFnLmE
また、アルカスイス互換の雲台に取りつけられる。

地面すれすれのアングルで地面にカメラを置いて撮ることが多いので
本体の汚れや傷も防げるという利点もあり。グリップは必須かも。
速射性は、X-E2のほうが優れている。
ファインダーに目を充てる動作の速さ(左にオフセットしているため)、
カメラそのものの威圧感がないこと。
フラッシュを内蔵しているのもいざとなれば使えるので。
開発が噂されるX-E3が楽しみである。
タグ:黒沢湿原
posted by 平井 吉信 at 19:46| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2017年05月09日

天岩戸の再現 岩と森と沢に囲まれた天岩戸立岩神社(神山町)


これまで徳島の隅々まで行っているつもりがまだまだ行けていない、ということ。
神山へ入ると、立岩神社の看板があることには気付いていた。
けれど、行く機会がなかった。

国道438号線から看板に従って7kmほどの山道。
山道に慣れていない人は心細い道中となる。
分岐には立岩神社の小さな表示があるので見落とさないように進むと
左カーブの分岐が神社への入口(車は入れない)。
車は付近の道幅が広がった場所を見定めて迷惑にならないよう停める。

いまはシャガが真っ盛り
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鳥居と看板がはるばる尋ねてきた旅人を迎えてくれる
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歩道は谷沿いの地形をトラバースしているが、
ところによっては根元近くまでえぐれて浮いている。
山側端をそっと通る。
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神社に辿り着くと、原生林と巨岩に立ちすくむ社。
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巨木の朽ちかけた姿にすら存在を感じる
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謂われはこちら
文章よりも写真から感じられるものがあるので説明なしで。
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付近には不動明王が鎮座している。
少し離れたところにも祠があった。DSCF0123-1.jpg

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この神社は森と一体となったたたずまい。
原始神道の雰囲気を醸し出す。
でも、それは人を寄せ付けないおごそかさではなく
アメノウズメがかつて踊った裸踊りのような
おおらかな自然と人間賛歌を感じる。

(フジX-T2+XF35mmF1.4 R、XF14mmF2.8 R。フジX-E2+XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS)
タグ:神社 神山町
posted by 平井 吉信 at 21:59| Comment(0) | 山、川、海、山野草

自然界の寡黙な饒舌 池の畔の半日


イオンモール徳島が4月下旬に開業した。
一度視察に行ってみたいと思いつつ
閉店間際に行った人(もう客足が少ないだろうとの思惑)が
駐車場から出るのに1時間かかったとか
LOが近い飲食店に行列ができていた、などの話を聴くと
(噂ではなく実際に体験した人から)
3か月は見送ったほうが無難と判断。
この世にイオンとスマートフォンがなくても困らないけれど
イオニストでもなければ
アンチイオン原理主義でもないので一度体験してもいいと思っている。
人が少ない徳島で人が集まる場の力に期待する人は少なくない。
そのうちイオンモール体験記を書いてみようと思う。
その際はイオンモールの魅力を掘り下げてみるつもり。
(イオンではなくイオンモールという点にご留意)

さて、連休でも人の少ない徳島で
観光地でありながら誰にも会わない場所はたくさんあった。
ここもそのひとつ。
山から流れ込む澄んだ水を湛えたこの別荘地のような池の畔もそう。
このブログをよく見ている方はここがどこかはおわかりと思う。
県庁からでも40〜50分ぐらいの高原のほとりの池。
この日も誰もいない。

だけどひとりではないという感覚。
鳥の声、虫の羽音、木々の葉が風に擦れる音、水面のさざなみ。
何もない饒舌、音もない真空がぎっしりと満たしている感覚。
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ただ、池をめぐりながら写真を撮ってみただけ。
それだけの半日、それをしたい半日。
タグ:佐那河内村
posted by 平井 吉信 at 20:49| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2017年05月06日

柴小屋登山口から薬研谷までのルート


県内でアケボノツツジで知られた場所といえば
高丸山、砥石権現がある。
この二箇所は場所さえわかっていれば接近しやすい。
高丸山と砥石権現は尾根沿いなので自ずと導かれる感じがある。
特に道迷いは考えにくい。

ところが、場所がわかりにくいのが薬研谷のアケボノツツジである。
薬研谷は谷へと下っていくので進路が拡散していく。
しかもこの山域は霧が出やすく、下界が晴れていても霧雨となっていることがある。
(今回はまさにそうであった。数十メートル先の様子もわからないので地形を把握することが困難であった)
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さらに、国土地理院には記載がない林道と作業道が縦横に走り、
ときに登山道として利用したり登山道を過ぎったりする。
ぼくも初めてだったので迷いそうなところを文章で書いて自分用のメモとしておこう。
GPSを所有していないので正確ではないが
ルート概観図も示しておこう(緑色)。
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1. 車道の案内
ほとんどの人は神山町から接近する。
神山町役場のある商店街(旧道)を西へ走ると
「雨乞いの滝」の小さな看板がある分岐がある。DSCF7517.jpg

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http://www.asahi.com/special/08016/OSK200811150005.html

これをたどると、あとは道なりに進んで
やがて谷沿い(野間谷川)に出ると
剣山スーパー林道の看板があり
左に曲がって野間谷川を渡る。
そこから急旋回して、あとは道沿いに行くと野間林道となる。
(フジが咲いている)
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野間林道は全線舗装路で道幅は広く走りやすい。
ただし他の林道と同様、落石が多いので走行中は法面を注視しながら走る。
いったん野間谷川から離れて東へ旋回するが
やがて西へと進路を変えて野間谷川を渡る。
途中で悲願寺への分岐があるが、
スーパー林道へと進路を取る。
見晴らしが良くなる頃、林道の屈曲点の手前に広場のように道幅が広がり
東屋が見えてくる。晴れていれば見晴らしもいいだろう。
柴小屋休憩所である。車はここに停める。
(これより先で車を停めるところは適当な場所はない)
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2.山道の案内(登山道)
車を置いて林道を少し進むと林道は右旋回する。
ほどなく左手に「四国の道」の遊歩道が見えてくる。
ここが柴小屋山、大道丸、大川原高原方面への登山道の起点となる。

歩き始めは明るい自然林のなかを階段が上がっていく。
何度か上がり下がりを繰り返すと
柴小屋展望台の脇を通り過ぎる。
そこから6分程度で鞍部に降りると
神社の鳥居が見えてくる(柴小屋神社)。DSCF7539-1.jpg

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上り下りをいくつか過ごして
再び鞍部に降りてくると十字路の分岐に遭遇する。

(1)右下の林道へ降りる → ×
右下に林道が目の前にあるので降りたくなるが、
この林道からは薬研谷へたどり着けない。
林道は大道丸の南を巻きながら東進するも途中で切れている。
林道終点から薬研谷への登山道(大道丸から派生する尾根)へ取り付くのは険しいと推察。

(2)まっすぐ進む → 大道丸経由で作業道を経由して薬研谷へ
まっすぐ進むと10分ぐらいで大道丸へと出られる。
大道丸から東へゆっくり下っていけば薬研谷の西側の岩場に出られる。
(南へ下らないこと。コンパスで容易に確認できるので手間を怠らない)
そこから谷底へ下って東側の岩場(険しいが危ないことはない)を上る。

(3)左斜め後ろへ下る → 大川原高原方面で林道を横切って薬研谷へ
左へと下るのは大川原高原方面への四国のみちで最初は谷をトラバースするが
やがて尾根へ乗る(今回は大川原方面への左下りを選んだ)。
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尾根を下って林道が見えるところまで降りてくると
それ以上四国の道を進まず適当に林道へ降りる。
(この林道はさきほどの林道(1)とつながっていない)
林道へ降りると、その辺りから杉の人工林を縫って下へ降りる作業道が見える。
そこを降りていく。
降りきると沢があり、自然の庭園の趣がある。
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作業道(車が通れる感覚はないので林道とは記さない)は左へ旋回するが
作業道から離れて直進したくなる雰囲気を持った場所がある。
「罠があるので注意」という趣旨の貼り紙がある。
作業道を離れて山を登っていく。
踏み跡は明瞭である。
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辺りはトリカブトらしき群生が目立つが
下草のない歩きやすい森である。
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なおも高度を上げていくと
突然目の前が開けて高度感のある岩の上に出る。
眼前には谷をはさんで同じように巨岩がある。
薬研谷の東側の岩場の上に出る(足元に注意)。
風が強いときは立たずにしゃがんで突風に備える。
西の岩場と谷底を見下ろしながらの絶景が展開する。
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岩の上から下へ降りる踏み跡がある。
下の谷(薬研谷)へ向かって急勾配で降りていく。
木の枝や岩を持つなど三点確保をしていれば特に危険な箇所はない。
(ストックはかえって邪魔になるだろう)
沢に降りれば、なだらかな渓相で心が落ち着く場所である。
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沢の水量は少ないのでどこからでも対岸へ渡れるが
対岸に踏み跡があるのでそこを渡る。
谷の斜面をじぐざぐに上がっていくと
西側の岩場の根元に出る。
高さは東の岩場が標高が高いが、
西から眺める東の岩場も趣がある。
この東の岩場、西の岩場とも4月中旬以降はアケボノツツジに彩られる絶景となる。DSCF7602-1.jpg

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薬研谷の岩場周辺の地形については
詳細な地形図(国土地理院)を見て欲しい。
地形が想像できますか?
尾根と谷の区別がつきますか?
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ここからは、西南西にある1,116メートル峰をめざす。
踏み跡は明瞭であり、
コンパスで進行方向(西方向)を随時確認しながら進むと道迷いしにくい。
カシオのプロトレックなどの登山用デジタル腕時計は便利だが
シルバコンパスのような指針式と併用したい(シルバは瞬時に判読できる)。
ただし薬研谷周辺では指針が安定しない印象があった。
めざすべき方向とコンパスの指針がまったく一致しない。
(プロトレックもシルバも同様であったので機器の誤動作や見間違いではない)
少し考え込んだが、コンパスよりは地形図と肌感覚を信用することにした。
(理由は不明なので誰か検証してみてください。もしかしたら花崗岩の岩盤が影響か?)

尾根の踏み跡を上っていくと1,116メートル峰に辿り着く。
そこを越えて下りに入ると作業道が見えてくる。
登山道が崩落しているように見えるが、
作業道まで難なく降りられる。
この西南西に延びる作業道(道幅2メートルぐらい)を辿っていく。
晴れていれば快適な散策路となるだろう。
(視界がきかないのと雨を気にしてこの日は薬研谷通過後の写真は撮れていない)

1,239メートル峰(大道丸という)への登りは疲れていると長く感じるかもしれない。
斜面には植樹(保護用の囲い)がある。

1,239メートル峰の山頂部はなだらかで東西にも延びていてピークかわかりにくい。
ピークらしい場所に来れば、左右に降りていく分岐がある。
コンパスで確かめて北へ向かう右手へと降りていく。
(南へ降りては行けない。北をめざす)
ほどなくさきほどの十字路分岐に戻る。
魔法にかかったような不思議さと読みが当たったうれしさが入り交じる。
今度は左下に林道、右の下りが往路に使った大川原高原方面の四国のみちが見える。
帰路なのでまっすぐ柴小屋休憩所P方面を選ぶ。DSCF7302-1.jpg

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何度か上り下りがあり、柴小屋山頂への分岐を右へトラバースして降りていくと鳥居がある。
鳥居を右手に見ながら見慣れた道を戻ると柴小屋休憩所へ戻ってこられる。

往路での失敗は、十字路分岐を右へ降りて林道へ出てしまったこと。
林道から薬研谷へ降りられると思ったが、
林道は途中で突然切れて勾配が急なため、林道を引き返すしかなくなる。
この林道はおそらく上勝方面からであれば
スーパー林道から神山(野間林道)への途中から東へ分岐している道だろう。
ただし、この林道は先述のようにどこにもつながらず突然切れている。
(林道は電子国土には現時点で未掲載)

この日は終日霧雨で数十メートル程度しか視界がないので
周辺の山容から現在位置の同定はできなかった。
地形図と把握しうる範囲の地形から現在位置を特定しつつ
次に現れる地形を描きながら進んだ。

山頂をめざす登山であれば上へ行くだけだが
谷への下りは入口を間違えば辿り着かない。
薬研谷への表示も皆無なので
コンパス(予備も含めて2つ)と国土地理院の地形図を持たずして
単独で薬研谷へ辿り着くことは困難だろう。
GPSを持っている人もコンパスと地図で安全性を冗長化しておくのは必須だろう。
(行程は記憶を頼りに書いているので間違いがあるかもしれない。自己責任でお願いしたい)

最後に霧雨のなかで拾った風景や山野草を貼り付けておく。
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小さな山野草の小宇宙の存在を感じていただけましたか?
posted by 平井 吉信 at 11:49| Comment(0) | 山、川、海、山野草