2023年06月04日

小さな庭の小さなキキョウにやってきた小さなハナアブ


この時期になると、それまで影も形も見えなかったマンネングザの仲間(タイトゴメ)がやってきてしばらくは庭の一角を席巻する。
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タイトゴメの近くにキキョウが生えてきた。この場所は初めてだ。
そのキキョウの葉にハナアブがとまった。
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光線良し、構図よしと近寄っていく。
背後はムラサキカタバミの花
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さらに拡大するとこうなる。白く細やかな綿毛を首にまとい、黄色系茶系でコーディネートしている。彼(彼女)のセンスは良いけれど、大きさは5ミリぐらいだから肉眼ではこうは見えないよ。
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ときどき奴は首を傾げながらごしごしと手入れをしているようだ。
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小さな庭にも魂があるのだ。

(撮影はすべて手持ち。フジX-T30+XF60mmF2.4 R Macro)
posted by 平井 吉信 at 12:35| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2023年06月02日

小さな渓流のほとりにて


生物の志向としてはボタニカルというのか、
形態学的にはフラクタルというのか、
自然に対する倫理観をエコロジカルというのか、
とにかく平地の渓流のほとりにいるとして、
そこから動かなかったとしても
ボタニカルでフラクタルでエコロジカルな体験がある。
そこにあるものに気付くことが幸福な時間へとつながるとしたら
これらはその記録といえるもの。
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渓流のほとりに高さ10センチに満たない植物。これはクワガタソウの仲間。周辺に群生しているのも10センチ未満のものが多い。はて? カワヂシャ(在来種)というよりはオオカワヂシャ(移動が禁止されている特定外来生物)かもしれない。勝浦川で見たものは1メートル近かったが、小さくても雰囲気は似ている。もしそうだとしたらどこから紛れ込んだのか、土木業者の土捨て場から逃げ出したのかも。
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posted by 平井 吉信 at 23:45| Comment(0) | 山、川、海、山野草

大雨の通り過ぎた庭で マンネングサが露(梅雨)を宿す


早くも大型台風、異常気象ではなく災害多発と感染症や風土病が常態化した地球。
未来は明るい明るいと暗示をかけられるほど、潜在意識に植え付けようとしているのだなと醒めた感覚。

そんな地上を線状降水帯が通過していく。
庭にはマンネングザの仲間(タイトゴメか?)が群生。

種を蒔いたのではなく、どこからやってきたのかわからないけれど、
この時期だけ現れてやがて消えてしまう。
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いまの日本でもっとも足りないのは幸福感。
政治が他のすべてに優る優先順位で人々の幸福感をつくることができたら…。

未来がひらけると、滴を宿した小さな花弁が別の小宇宙を映す。
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posted by 平井 吉信 at 23:16| Comment(0) | 家の庭

2023年05月28日

夕方は植物を妖しく魅せる(とくしま植物園)


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(フジX-T30+XF35mmF1.4 R)(標準レンズのみで撮影)
posted by 平井 吉信 at 17:49| Comment(0) | 山、川、海、山野草

緑萌える 拾い集めた


前項(「自然の音を部屋に流してみるなら…)」からの流れの続きの話題。
身近な場所や場面をそのまま写真に撮るとして、テーマは新緑としよう。
これみよがしの絶景を、深海のような濃い青空、蛍光緑の森や山、エメラルドグリーンの海や川、極彩色の果実などの添え物…。はあ、少々目が痛いというか疲れます。

だから萌える新緑を見飽きないように集めてみました。
といっても表現のための写真ではなく、心を動かされた場面そのものといった感じで。

日和佐川沿いの河畔にて
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曇り気味のやわらかな光の新緑として

出島野鳥園にて
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勝浦川上流と旭川(上勝町内) 月ケ谷温泉周辺
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六郎山周辺(佐那河内村)
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posted by 平井 吉信 at 17:22| Comment(0) | 山、川、海、山野草

自然の音を部屋に流してみるなら アンビエント系なら このCDがおすすめ


環境音、アンビエント系のCDをいくつか聴いている。自然音に持続的な楽器を重ねたりギター、ピアノなどを被せたりしているのだけれど、メロディー要素が強すぎて(さも癒やして差し上げます)飽きるというより初手で視聴を停めてしまう(購入前の試し聴き)。

なかなか手持ちのものより気に入るものがないので、改めて紹介すると、まずはブライアン・イーノのこの1枚。何枚か出ているけれど、ぼくはこれだけあればよし。
Ambient 2: Plateaux of Mirror 

1曲目「First Light」」は宇宙空間を漂う飛行船から宇宙を眺めているような気分になる。音楽というより星々が共鳴しているような自然さがある(何度もいうけど、「うっとりするメロディーの弊害がない」)。それは人間社会の「癒やしいいね!」を押しつけられているような気分。名前は出さないけれど、アマゾンで人気の作曲演奏家もその傾向がある方たちが多い。
5曲目「An Arc Of Doves」では細胞がふつふつとほぐされながら湧き上がるような静かな快感がある。個々の楽曲というよりはアルバム全体が何度か繰り返し流していて違和感がない。音楽の存在を消しながら空間をつくるという意味で究極のアンビエントである。



「癒やし系の音楽」よりは自然音のほうが好きな方には、デラというレーベルが「ネイチャーサウンドギャラリー」と銘打って発売しているシリーズがある。そのなかでおすすめの2枚はこちら。

「せせらぎ」https://www.della.co.jp/collections/naturesoundgallery/products/dlns-112

軽井沢や屋久島などの渓流の録音だが、オンマイク(音源に接近しすぎた場合の直接音中心の響き=生々しさを強調)すぎないので、長時間浸れるもの。各音源が揃っていて連続して浸れる。




「高原の朝」https://www.della.co.jp/collections/naturesoundgallery/products/dlns-202
早朝に目覚めたときに、小さな音で部屋で流すと気持ちいいよ。主に野鳥の声なんだけど、音と音の間に隙間があるのが良い。波音だといつも波が音空間を満たしているけれど、これはそうではないので耳にやさしい。すがすがしさでは最右翼。



この2枚の録音とも空間が再現されるような優秀録音。ぼくは室内だけでなく車を運転するときもCDから抽出したデータを聴いている。日頃の喧噪を打ち消す別世界の波という感じ。

2022年7月に屋久島での自然音の新譜が発売された。販売形態はCDはなくデータ購入と配信のみである。
屋久島〜Deep Forest/ネイチャー・サウンド・ギャラリー(自然音)
https://www.della.co.jp/collections/naturesoundgallery/products/dlns-214

こちらは耳を澄ましてどんな場面かを想像する愉しさがある。
屋久島の森を目を閉じて疑似体験する心地がする。
「森に響く野生の声〜屋久島・西部林道」に続いて、雨の音を収録した「森に降る雨〜屋久島・安房林道」もあるが、これも意外に良い感じ。定番のせせらぎの後、「巨樹を仰いで〜屋久島・紀元杉」では風に揺れる木々の音と野鳥のさえずりが臨場感。最後の「山から大海を見下ろす〜屋久島・一湊矢筈岳」は海に面した山中から聞く潮騒だろうか。
「ただいま」のみを見つめること、それは瞑想や座禅の精神にもつながる。

購入するのなら直売サイトでも良いが、ダウンロード形式を選べるOTOTOYがおすすめ。
(Amazonの配信はMP3なので音質が落ちる)
データ形式は「wav」を選べば圧縮されていない音源となる。金額は非圧縮のwavもその他の圧縮形式も同じ(1,222円)。ただし自分の機器や端末で再生できるデータ形式かどうかを確認したうえで。
https://ototoy.jp/_/default/p/1330470

さらに音の良いハイレゾもあるが再生機器が対応しているかどうかを調べてから。
https://ototoy.jp/_/default/p/1330468

屋久島には続編「屋久島〜Water」があり、こちらも愉しめる。
https://ototoy.jp/_/default/p/1296866

なかでも2曲め「ウィルソン株の泉」では株の内部で硬質の残響が耳に残る。また、6曲めの「澄明の泉〜屋久島・大株歩道」はやさしいヤ行の響きの水音に溶けていくようだ。

「屋久島〜Deep Forest」の1曲目「森に響く野生の声」、「屋久島〜Water」の前述の2場面は印象に残る。


posted by 平井 吉信 at 17:00| Comment(0) | 音楽

徳島県最南端の竹ヶ島 巨岩が点在し竹林がその名の由来となった島を歩く


竹ヶ島については、語れるほど多くは訪問していないが見るべきものは多い島と思っている。港のすぐ傍らは環境省指定の海中公園となっていて海中観光船(ブルーマリン)で見たことがある。水深3メートルぐらいの浅い海域で陸からも近い海底を船底から見られる。そこには20種類の珊瑚、そこに生息するグレ、アイゴ、イサキに加えて熱帯魚が見られる。

島は遠洋漁業(マグロ)の基地でもある。そのため、島の飲食店で提供されるまぐろ丼を愉しみに来島される人もいる(水揚げがあったときのみ営業らしい)。島といっても橋でつながっているので徒歩でも車でも渡ることができる。

島と宍喰を結ぶ水道の北側ではサーフィンをする人もいる。シーカヤックやシュノーケリングなどマリンスポーツならなんでもという印象である。ウィキペディア(Wikipedia)に島の航空写真がある。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/f1/Port_of_Kannoura_and_Takegashima_Island_Aerial_photograph.1975.jpg

Google地図で見たい人はこちら
https://www.google.com/maps/@33.5482336,134.3142405,3388m/data=!3m1!1e3?entry=ttu

これで見ても風光明媚なたたずまいがわかる。観光施設もあるのに観光地ずれしていないのが魅力である。

竹ヶ島の港から裏手に反対側の渚に出られる。かつてここにブランコがあったと記憶している。渚を見ながら波のゆりかごに揺られる心地がして気持ち良い時間の過ごし方である。
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ここから島の北半分を1周する遊歩道がある。時計回りに廻るとしてところどころに分岐があるが、どこを行っても迷うようなことはない。大きな島ではないし、97メートルの最高点を過ぎて南端にある灯台へと向かう踏み跡がある(時計の文字盤になぞらえると6時の方向)。

時計回りに進んで7時の方向で海(ビシャゴ磯)へと下りる小径がある。足下に気を付けていけば危ないことはない。渚から再び戻ると9時を過ぎて再び集落のある港へと戻ってくる。この港の最深部には竹ヶ島神社がある。

分岐するみちはショートカットするコースと思われる。また、外縁部の海沿いをたどる分岐が3時ぐらいにある。

竹ヶ島は地形的にもめずらしいようで、竹ヶ島を解説しているサイトがある。これを見ると、大岩や竹林の魅力について触れられている。地元ご出身の方がつくられたのかもしれないが、理念を持って非営利で運営されており、室戸阿南海岸の地勢について触れたコンテンツでもっとも価値あるもののひとつではないか。
竹ヶ島公式サイト https://www.takegashima.com/

集落の手前に車を停められそうな場所があるのでそこから漁港を見ながら歩く。
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まずは港の奥にある竹ヶ島神社へ
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階段も植生と相まって趣がある 
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神社からいったん下りて集落を抜けて裏の渚へと向かう。ここから時計回りに島をめぐる散策路(四国のみち)がある。
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道中で初めてムサシアブミを見る人はその異様さに驚くだろう
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シハイスミレが咲く頃はかれんな道草を
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四国のみちから分岐があるので竹ヶ島公式サイトの地図をご参考に
(竹ヶ島の散策図はこれが唯一の貴重な資料。関係者の熱意に頭が下がります)

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ほどなく97.6メートルの展望台へ。ここが竹ヶ島の最高点。休憩所が設けられており、宍喰本土からは見えない島の東側の海崖が望める
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足下のかれんなシハイスミレ。同じ目線で語り掛ける
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展望台を過ぎると、灯台方面へ向かう下る(のちに上り)南下ルートが見えてくる。右手には名前の由来となった島で唯一の竹林が見える
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このルートは途中から草木(シダ類)が繁茂しており、マダニの洗礼を受けることが確実である。灯台まで行くのならビニールやポリエステル系の滑る素材の上下とマダニの侵入を防ぐ工夫、ティート系の忌避剤は必須の装備(四国のみちだけなら不要。ただし腰を下ろしたときにマダニが近寄ってくる可能性はある)
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さらに遊歩道を進む。自然林と海からの風を感じる心地よい回廊
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島の東側の渚(ビシャゴ磯)へ下りる散策路がある。四国のみちと違って野性的。足下に注意しながら下る。
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竹林の向こうに竹ヶ島の西南の小島(二子島、葛島)が見える
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磯へ下りる小径は竹林の下部を横切る。ここに棚田状の階段地形がある。ここに段々畑/棚田をつくったとは考えにくいが、島に3つぐらいしかない沢筋(集水域)であるので何らかの利水治水目的があったのかもしれない
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竹林に近寄って撮影
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照葉樹林をくぐり抜けてビシャゴ磯にたどりつく
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渚の突端に人の顔のような岩がある。その先遠くに見えるのは甲浦大橋
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四国のみちに戻ってほどなく港に帰着。竹ヶ島神社に拝礼して島をあとにする
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追記
なぜ、離れ小島の竹ヶ島に竹が自生しているかについて、公式サイトでも問題提起を行っている。また、竹林の上部が裸地化している原因もわかった(竹林保護ために杉の植林を伐採)。

運営者が「竹ヶ島の七不思議」で触れられている七段のテラスの存在について、当ブログでも県南部の人里離れた渚に存在する事例(徳島市越ヶ浜、美波町木岐地区)を紹介した。いずれも沢が想定される地形から一見して利水もしくは治水施設のように見えるが、それにしてもその存在理由が説明が付かないため、集落から離れた段々畑ではないかと考えている。

posted by 平井 吉信 at 13:21| Comment(0) | 山、川、海、山野草